完璧主義の生きづらさから抜け出す方法 〜渡辺麻友さん 芸能界卒業から考察〜
Journey to Happiness
〜本質で幸せになるために〜
EY mental Lab 代表の結城恵美です。
先日、元AKB48で女優の渡辺麻友さんが
芸能界を引退されました。
TVや新聞、インターネットなどの情報から考えると、
「完璧主義で生きづらさを抱えていたのでは?」
と推測されます。
今回は渡辺麻友さんを例に挙げながら、
「完璧主義の生きづらさ」
「そこから抜け出すためにはどうしたらいいか」
についてお伝えします。
※こちらの記事はEY mental Lab 結城恵美代表と
認定心理カウンセラー岡本翔の対談を文字起こししたものです
動画でご覧になりたい方は下記URLよりご覧ください
完璧主義の生きづらさから抜け出す方法
〜渡辺麻友さん 芸能界卒業から考察〜
【目次】
- 渡辺麻友さんが芸能界を引退されました
- 完璧主義自体が悪いわけではない
- 過度な完璧主義からメンタル疾患へ
- 環境を変えて元気になるケース、リバウンドするケース
- 完璧主義の生きづらさから抜け出す方法
■渡辺麻友さんが芸能界を引退されました
ー岡本ー
元AKB48の渡辺麻友さんが先日芸能界を引退されました。
メディアで報道されていた内容だと、
「すごくストイックなアイドルだった」
「スキャンダルが全くなかった」
「本番前で他の人がリラックスしている場面でも声出しに取り組んでいた」
「台本をかなりしっかりと読み込んでいた」
みたいなエピソードがたくさんあって、
あくまで推測ですが「完璧主義」なのかなと思われます。
今回は渡辺麻友さんの例に基づいて
「完璧主義の生きづらさ」
「完璧主義から抜け出す方法」
について話していきたいと思います。
ー結城ー
私はファンだったというわけではないのですが、
麻友さんが突然芸能界を引退された
という報道を聞いてとても驚きました。
すごく可愛い方だし、
NHKとかで拝見したことがありますが、
「すごくいい演技をされてるな」と思っていました。
なのでファンの方とかはすごいショックを受けてる方も
いらっしゃるかもしれないですね。
麻友さんが
「完璧主義」で「メンタル的にどうこう」
っていう問題があるかどうかはちょっとわからないですけれども
なんとなくそういう感じがするので
麻友さんの例を使って
「完璧主義の生きづらさ」をお伝えしたいと思います。
■完璧主義自体が悪いわけではない
ー結城ー
まず一つ最初にお伝えしておきたいことは
「完璧主義が悪いわけではない」ということです。
完璧に物事をやりこなさなければならない場面はたくさんあります。
業界によっては例えば、
車とか精密機器を作っておられるような業界の人だったら
完璧に狂いなく製品を作るというところに注力しなければいけないですよね。
■過度な完璧主義からメンタル疾患へ
ー結城ー
メンタル疾患になりやすい完璧主義の方っていうのは
まずベースに
「ありのままの自分はダメなんだ」という
自分自身に対する自己否定的な信念があります。
そして「自分はダメ」だから
「完璧でいなければいけない」といったように
自分のダメさを補填するために完璧主義になっています。
毎日毎日、
自分が完璧であることでしか
自分を認められなかったり
自分の心の生きづらさを解消する方法がないという生き方です。
こういった方はとても生きづらくて大変です。
かなりきつい完璧主義などもあって
うつ病も経験した翔カウンセラー自身は
「完璧主義」についてどう分析していますか?
ー岡本 翔ー
完璧主義になる理由が2つあって
1つ目の理由としては
「完璧にできると自分がスッキリしたり気持ちがいいと感じる」
というのがあります。
ただ、もう1つの理由の方が大事だと思います。
完璧じゃなかったり、ミスをしてしまうと
「自分は批判されるんじゃないか」
「怒られるんじゃないか」
という恐怖感が自分の中にあり、
だったら
「完璧でミスをしなければ誰にも責められない」
という思いから「完璧主義」になっている側面も
かなり大きいかなと思います。
ー結城ー
そうですね。
例えば
「正統派アイドルでいよう」
「完璧なアイドルでいよう」
「ファンの皆様の期待に全部答えなければいけない」
っていうのはある意味ちょっとファンタジーの世界になってしまいます。
「全部の人に好かれる人間っていうのは存在し得ない」ので
「全部の人に好かれるために完璧にする」というのは
もう前提が間違ってることになります。
「そういう自分であり続けよう」と努力し続けるということは
人間じゃない領域まで頑張り続けないといけません。
しかしとてもじゃないけど
そういう領域に身を置くことは不可能ということになりますので
麻友さんはものすごい頑張りをされて
「正統派アイドル」という地位を守り続けていたのかもしれません。
このような頑張りを続けると人間はどうなっていくかというと
結果的にはメンタル的に破綻してきます。
それは
「自分はもう限界なんです」
という自分からのメッセージです。
「他者からどう見られているか」
というところばかりを気にして
「ダメな自分だから自分は頑張り続けるんだ」
「これぐらい完璧にやっていたら人からは何も文句言われないだろう」
とやっていてはとてもしんどくなってしまします。
これは「意識」できてる人もいれば
「無意識」にやっている人もいると思いますが
「無意識」の人の方が多いと思います。
「そんな風に自分は思ってないですよ」
「ただただ完璧にやったら気持ちいいから努力してるだけです」
と言う方もいらっしゃるかもしれませんが
「意識的」「無意識的」どちらにせよ
ずっと完璧主義をやり続けるのはしんどいです。
この「今の生き方はしんどいですよ」というメッセージを
人によっては
「うつ病」
「適応障害」
「摂食障害」
などのメンタル不全系の病気によって出しています。
抑うつ感が出て
体が動かなくなっちゃって元気がないんだけど
仕事があるから仕事場だけは完璧な私を演じ切る
みたいな感じでやっていると
また抑うつ感が「ドーン」と来るので
どんどんメンタル疾患は悪化していくということになるでしょう。
■環境を変えて元気になるケース、リバウンドするケース
ー結城ー
そしてもう一つ大事なことは
芸能界を引退されたっていうのは
実は素晴らしい選択をされたなと思います。
自分が何かメンタル的に問題を抱えた時に
「環境変える」っていうのは
ひとつの選択肢としてはアリな選択です。
環境を変えてメンタル的な病気や
抑うつ感などが治るんだったら
その人のメンタル不全の原因は
「そこの環境が自分に合ってなかっただけ」
ということになります。
ですから今回の麻友さんの例だっら
芸能界を引退されたことで
回復して元気になっていくようだったら
「芸能界という水が自分には合わなかった」
という解釈でいいと思います。
しかし
「劣等感」「自己否定感」「不安感」といった
「マイナスの感情」を感じないためだったり
他人から責められないために
完璧主義を選んでいるのであれば
環境を変えてどこのコミュニティや業界に行ったとしても
また「完璧にしなければ」という努力をしてしまうので
うつ病とかであるのならならば
リバウンド(再発)は必ずしてくる
ということになります。
もし一旦薬である程度テンションを整えたとしても
必ずリバウンドすると言えます。
その辺は様子をしっかりと
見ていかなきゃいけないケースなのかなと思っています。
■完璧主義の生きづらさから抜け出す方法
ー岡本ー
最後に
完璧を求めすぎてしんどくなってしまっている方が
楽になっていく方法について話していきたいと思います。
完璧主義の方は意識的にしろ無意識的にしろ
「常に完璧でなければならない」
という自分の中の信念があるので
「完璧じゃなくていい」という方向に向かっていく
ということがすごく大事です。
例えば仕事で資料を作る際に
常に100%の力でやってしまってるケースがあります。
実は周りの人から見ると100%どころか120%ぐらいの出来で
すごく完成度が高かったりします。
これを毎回やっているとなると
時間もかかるし自分の労力も使い果たして
すごく疲弊してしまします。
なのに実はそこまでは求められていない場合もあります。
完璧主義から楽になりたいのであれば、
常に自分の中で100%の力でやっていたものを
「80%ぐらいでやろう」
「70%ぐらいでやろう」
と力を抜いていくことが大事です。
これをやるとすごく気持ち悪い感じがします。
今まで全力で100%でやってきているので
「なんか手を抜いてしまっている感じで落ち着かない」
「こんなレベルのものをやっていては批判されるんではないか」
といったネガティブな感情が出てきます。
ー結城ー
そうですね。
自分の感覚で80%でやるとなると
「残りの20%の部分を頑張っていない」
みたいな感じで自己否定感が出てきたり
「自分はもっと頑張らなきゃいけないんじゃないか」
といったネガ感情に転化しますよね。
回復のプロセスではそこのネガ感情とのお付き合いを
どれぐらいうまくやれるかっていうことが大事ですね。
そして
「この水準までやらなければいけない」
と自分で思っていたところが
「実はそんなに求められていないんだ」
「そこまでやらなくても問題ないんだ」
っていうことに体感でわかっていくことが大事ですよね。
完璧主義で生きづらいっていう方は
やり方としては今翔カウンセラーが説明してくれたように
「力配分を落としてみる」ことが大事です。
そしてその時に感じる
自分のマイナスの感情感覚をしっかりと見ていって
自分が「この水準までやらなければいけない」と思っていたことは
実はそれは「自分の主観妄想で苦しんでいただけなんだ」
っていうところに気付いていくことが大事です。
そして最初はその苦しさっていうのは
なかなか取りきれないと思いますけれども
だんだん健全な人とのお付き合いができてくれば
「この辺でみんな自分のことをオッケーしてくれてるんだな」
っていうのがわかってきます。
「完璧じゃない自分も人ってすごく快く優しく受け入れてくれてるんだ」
っていうことをこれからどんどん学んでいく必要があります。
ここはちょっと時間がかかる大変なところと言えるでしょう。
翔カウンセラーは大変でしたか?
ー岡本 翔ー
大変でしたね。
例えば自分が話す動画を撮る際に今までは
「完璧に原稿を作ってこの通りにやらなければいけない」
っていう思いがすごく強過ぎて
そう思えば思うほど顔が強張ったりしてうまくできませんでしたが
今なんかは場合によっては原稿をみっちり作らずに
フリーに話している場合もあって
そういうところも「完璧じゃなきゃいけない」
っていうところから脱してゆるくなってるところだと思います。
完璧主義の方はそういう方向性でやっていただけたらいいと思います。
ー結城ー
そうですね。
完璧主義をある程度緩めて
生きづらさを取っていきたい方っていうのは
そのやり方しかないですからね。
そのために
まずは自分が完璧主義になっているところに
気付いていくことが大事ですね。
今回は麻友さんの例を使ってお話ししましたが、
「完璧主義」
「優等生」
「頑張り屋さん」
をすることによって
「自分は他者から承認をもらってるな」といった場合は
どれだけ若くして才能があって
可愛いなどといった素晴らしいものがあっても
そこは関係なくて
「心は生きづらい」というメッセージを発信してしまいます。
今回は私たちもとても勉強になりました。
本日は以上で終わりです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました
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